アフロブラジル文化の意外な二面性。サンバは楽しく「抵抗」する象徴。マランドロクラス開催。


次回のショー出演のための選曲に数日前から着手してました。サンバの楽曲でショーに使えるものって以外と少ない(笑)選ぶ基準は色々。選んだら小節分けをするのが最初のルーティンです。その後、歌詞を調べたり直感的に踊ったりします(笑)

その過程でサンバに纏わる歴史やら文化背景を知ることのになるのですが…
サンバの根底にあるのはアフロ文化(アフリカ起源の宗教音楽や儀式)だというのは、以前のブログでも書きました。
今回はそのブラジルにおけるアフロ文化には二面性があるという話です。
かなりマニアックでディープな話です。

ざっくり言うと。
「純粋な神様との一体感」を求めるアフロ文化と
「現実を生き抜く」ことを求めるアフロ文化があります。サンバは後者の影響が大きい。

もうひとつの二面性を表すキーワードとして
逃亡奴隷の末裔」と「解放奴隷の末裔」
という二面性。
言うまでもなく、ブラジルには奴隷制がありました。
1888年の奴隷解放までの300年間!
その間に主人の搾取から逃亡した奴隷が、荒地やジャングルに自分たちの集落を作って隠れ住んでました。
これをキロンボと言います。これはキロンボの現実が
分かりすい動画です。まだ苦しみは終わってない。
一方、奴隷解放で農園を放り出された奴隷が、都市の丘の斜面に違法に住み始めたのがファベーラ。
サンバはここで生まれた。

どちらも黒人の方々ですが、キロンボの黒人とファベーラの黒人という訳です。

アフロ文化を象徴する黒人宗教にカンドンブレがあります。これはナイジェリア起源の多神教です。出自の地域によって呼び名は変わりますが、同じ神様をあがめてます。
一方、このカンドンブレを元に多文化と混ざり合いながら発展した比較的新しい黒人宗教がウンバンダです。以前ブログで書いたマランドロの起源の神はウンバンダに出てくるエシュです。


この二つの黒人宗教の違いは何か?
「純粋な神様との一体感」のか?
「現実を生き抜く」のか?の違い。ウンバンダはとても即物的です。金持ちになりたいとか。恋愛成就とか嫌いな人を呪い殺すとか。カンドンブレも人を呪う呪術がありますが(笑)、基本「神との一体感」を求める。

キロンボでの宗教はよりアフリカ起源に近く純粋に自分達のルーツを守る「カンドンブレ」を軸にする。
ファベーラでは貧しいながらも強かに小粋に生き残ることを目的とした「ウンバンダ」

キロンボは隠され閉鎖された砦。ファベーラは開かれたコムニダージ(危険だけど(笑))

これでどちらが良い悪いではなく、アフリカ系ブラジル人の抱えるジレンマを象徴しています。
「自分達のルーツは大事にしたい。でもね、人種階層社会が残る現実社会も生き抜かなきゃいけない」
「純粋さだけでは腹は膨れない。即物的な願いも聞いてもらわないといけない」

サンバカーニバルは商業化され巨大化している。それがサンバの本来の姿ではないことは分かっている。
でも食ってくためには仕方ない。せめてパレードのテーマには自分たちのルーツを織り込んで「楽しく」抵抗し自分のルーツとアイデンティティを残す。
サンバは清濁飲み込んで生き残るPovo(庶民)の抵抗の象徴なんですねー。だからサンバは楽しいのだけど、どこか哀愁(サウダージ)を感じるわけです。

2月3日19時半から
黒髪コミュニティセンターにて
ジンガ&マランドロレッスンです。
是非皆様お気軽にご参加ください。
どなたでも参加できます!



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